人力作業にも気をつけよう
南の地方では、田植えが終わったところもあります。北のほうではまだ融雪剤をまいている地域もあります。日本列島が南北に長いことを最も実感させられるときでもあります。
どのような作物・家畜を扱っていても、この季節はいろいろな作業を手順よくこなしていかないといけない、いわゆる「農繁期」の始まりです。乗用機械による作業では、乗っているときは、肉体負担は比較的小さくなっており、気がつきにくいけど、精神的な負担は大きくなっています。乗用機械による作業が一般的になっていますが、一日中運転席に座ってはいられません。機械の点検・調整、作業機の着脱、資材の補給、圃場・施設周囲の点検などは人手をかけなければなりません。普通の作業が楽になった割に人力作業はなかなか合理化されていません。機械化したくても人間の巧みさを上回る技術がリーズナブルな価格・性能として実用化されにくいためです。人力作業を行う上での注意すべき項目を挙げます。
作業姿勢に気をつける:機械の点検で狭い場所に入り込み、不自然な姿勢で作業を行うときがあります。ぎっくり腰の原因となったり、ひじをほかの機械などにぶつけたり、立ち上がろうとして頭をぶつけるなどがあります。機械の下に入るときは、ベッド状の作業台を活用しましょう。また、受粉作業のように連続上向き作業をすることがありますが、首のヘルニアを起こしたり、高齢者では立ちくらみを生じたりします。
ひとつは軽くても:苗箱、肥料袋、種子袋などを人手で運搬・供給することがあります。一つ一つは軽くても、数が増えれば合計はとても大きくなります。適度な間隔で休憩を入れないと、上腕部の筋肉や骨格系に異常を起こすことがあります。このような作業を行うときは、上下方向の資材移動はできるだけ避けましょう。腰の高さ程度での1m程度の横移動ではそれほどの危険性はありません。運搬方法を工夫してください。そのときに、資材は体に近く保持し、腰をしっかり伸ばして作業しましょう。

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