東京生まれ東京育ちの人間にとって、若いころには、「お盆」の風習がよく理解できませんでした。実家には仏壇もなく(親の実家にはありましたが)、墓参りも親の実家に行った時に畑の中にあるお墓に手を合わせるだけでした。埼玉に勤め始めて八月十五日前後に大半の職員が休暇をとり、出勤しているのは、いわゆる東京組だけという事態で、旧盆が地方にとって一大行事であることが理解でき始めました。幸い農業関係者にとっては、旧盆が農繁期から少し外れているので、日ごろ交流の少ない人との旧交を暖めるのにはよい季節であるのでしょう。

-点検整備を始めましょう-
ところで、お盆が過ぎれば、平野部でも赤とんぼが飛び始め、秋の農繁期がすぐに来ます。今月の話題は、「秋の農作業に向けた安全への準備をしましょう」です。
 秋のシーズンにはどれだけの種類の機械を使いますか? それらの機械の健康状態は万全ですか? 春のシーズンに使った機械もあるでしょうし、ほぼ一年前に使って納屋の奥でほこりをかぶっている機械もあるでしょう。機械作業直前になって不具合にあわてることの無いよう、点検整備を始めましょう。
点検整備はチェックリストに従って点検しましょう。自分で責任を持って点検調整できる部分は自分で行い、プロに頼むところはプロに任せましょう。点検整備を怠ったまま圃場へ行き、作業を始めようとして不具合発見では、適期作業を逃すとともに、心のゆとりがなくなり、事故の遠い原因ともなります。
-取扱説明書を読みましょう-
機械の点検調整が済んだら、念のため、もう一度取扱説明書を読みましょう。「取扱説明書が見つからない!」なんてことはないでしょうね。共同作業を予定しているときには、みんなで取扱説明書をまわし読みしましょう。作業の基本や、その機械の性能を十分に発揮させる作業方法、など詳しく記載されていますし、やってはいけないことも書いてあります。悲しい目にあわないためには、事前の準備が大切です。
-ハザードマップを作成しましょう-
機械の点検、取扱説明書による確認が済んだら、作業のための地域内の安全点検もしましょう。地域の広さにもよりますが、徒歩か自転車で担当地域を回り、ハザードマップを作成しましょう。去年の秋、今年の春に問題がなくても、「危険かな?」と感じる場所も必ずあります。農作業事故を防ぐためには、危険を予測し対策を考えることと、不安全行動をしないことの2点です。
 収穫の後に明るい会話ができるよう、安全には気をつけて作業準備に取り掛かってください。

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